松坂2失点で日本人初勝利/Wシリーズ

- 1回裏、投ゴロを処理し、飛び出した二塁走者松井稼を追いかける松坂(撮影・宇治久裕)
<Wシリーズ:ロッキーズ5-10レッドソックス>◇第3戦◇27日(日本時間28日)◇クアーズフィールド
【デンバー(米コロラド州)27日(日本時間28日)】松坂が、投げて、打って、世界一へ王手をかけた。レッドソックス松坂大輔投手(27)が、ロッキーズとのワールドシリーズ第3戦に日本人として初先発し、初勝利を挙げた。投げては5回3分の1を2失点。第2打席には2点タイムリーを放った。ロッキーズ松井稼頭央内野手(32)との初対決は3打数1安打だ。日本シリーズで勝ち、Wシリーズで勝ちを記録した投手は世界で松坂しかいない。第4戦に勝てば「1億ドルの右腕」は、メジャー1年目で世界一を手にする。
大きな山を乗り越えた安堵(あんど)感が胸をかすめた。日本人で初めて立つワールドシリーズの先発マウンドで、松坂は勝った。気温7度はシリーズ史上5番目の寒さだ。乾燥した空気で滑るボールにも苦戦した。5回1/3、2失点。困難を打破し、最低限の責任を果たした。レッドソックスは3連勝。3年ぶり王座へ松坂の手で王手をかけた。
松坂「プレッシャーは前回のリーグ優勝(第7戦)の方が重かった。今日は幾分、精神的に楽に投げられました。チームが連勝していて、流れを止めずに済んだ。そういう意味では、今、ホッとしています」。
標高約1600メートル、気圧が低く打球が飛びやすいクアーズフィールドの特性を重視し、松坂は徹底的に低めへの制球にこだわった。最速94マイル(約151キロ)。直球主体の配球で相手打線を圧倒した。許したヒットは3本。メジャーの頂点を決める短期決戦で、残る力を絞り、ベストのボールを投げ込んだ。
西武時代の尊敬する先輩、松井との対戦では初回に右前打を許したが、一死二塁から、中前に抜けそうなゴロに鋭く反応、抜群のフィールディングで松井を二、三塁間で挟殺した。3回の第2打席は外低めの直球で空振り三振を奪った。Wシリーズの舞台で2人の日本人のレベルの高い戦いだった。
メジャー初ヒットも放った。3回だ。3点リードし、なお2死満塁の好機。打者松坂は2回の初打席で空振り三振した変化球の軌道を鮮明に焼き付けていた。「初打席ではまっすぐを待っていたが、ローウェルに『投手でも変化球で攻めてくる』と聞いてカットボールを待っていた」。初球、外角に動いたボールを左手1本で三遊間を破った。2点追加。投打にわたり、勝利への道を切り開いた。
6回、1死から連続四球を与え、100球を超えた時点で降板を告げられたことは、相当悔しかったという。
松坂「四球はもったいないと思いましたが、点差もあったので代えられるとは思っていませんでした」。
だが、一瞬のスキも許されない短期決戦。交代は仕方がない。先発の役割を果たして歴史に日本人投手初勝利を刻んだ。
あと1勝だ。公式戦15勝、ポストシーズン2勝。「1億ドル右腕」として海を渡り、初シーズンを全力で戦い抜いてきた。「このチームは勢いじゃない。本当に強い」。運命で入ったレッドソックスで、松坂はメジャーの頂点をつかもうとしている。【山内崇章】
[2007年10月29日9時35分 紙面から]
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