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日米で魔球論争、松坂はジャイロ投げた?

 レッドソックス松坂大輔投手(26)はジャイロボールを投げたのか。6日、松坂と対戦したマーリンズの4番ストークスは「ジャイロが1球あった」と発言し、米メディアは再び魔球論争に沸き返っている。ジャイロボールの命名者、手塚一志氏(44)は7日、日刊スポーツの取材に「マーリンズ戦では1球もなかった」と否定した。しかし、共同研究者の理化学研究所姫野龍太郎氏(52)は「明らかに投げていた」。日本でも騒動は過熱しそうだ。

 松坂の球種を聞かれたストークスは「直球、スライダー、カーブ、そしてジャイロが1球あった」と証言した。第1打席の6球目。「内角に沈んできた124キロのボール」が問題の魔球で「フォークとチェンジアップの中間のようなボール」と地元紙の取材に答えた。ついに現れた魔球の目撃者に米メディアはすっかり色めき立った。

 松坂やボールを受けた捕手のバリテックの否定にもかかわらず、再び過熱化しそうな魔球騒動。果たしてジャイロボールはあったのか。手塚氏は「ジャイロはまだまだこんなもんじゃない」と否定する。しかし、手塚氏と共同研究した流体力学が専門の姫野氏は「速く大きく落ちるスライダー。あれがジャイロです」。01年に共著「魔球の正体」(ベースボール・マガジン社)でジャイロボールを紹介した2人の研究者でも見解が分かれた。

 ジャイロはギリシャ語で「輪」の意味。ジャイロボールは、進行方向と回転軸が同じ、きりもみ状態の「直球」だ。姫野氏が初速150キロのバックスピンがかかった通常の直球とジャイロの直球の飛び方を実験で比較したところ、バックスピンのかかった直球はホームベース上の球速(終速)は時速128・5キロだが、ジャイロでは136・4キロ。終速で7・9キロの差があった。

 さらに落差が大きい性質もある。バックスピンの直球は、ボール表面の空気抵抗が球の上下で違うため、飛行機の揚力に似た「マグナス力」が働く。落差は約22センチ。ジャイロはきりもみ回転でマグナス力が発生しないため、自然落下に近く約105センチも落ちるという。直球より速いのに、大きく落ちる球。打者にとってはまさに魔球だ。

 回転軸を進行方向と微妙にずらせば、スライドしたり、さまざまな変化が表れる。

 マーリンズ戦ではジャイロはなかったという手塚氏だが「西武の選手からは『松坂はキャッチボールでジャイロを投げている』と聞いた。ボストン・カレッジ戦でも“におう”球があり、開発には成功しているようだ。完成していれば、公式戦で25勝はいける」と話している。【清水優】

[2007年3月8日7時53分 紙面から]


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